第9章 喧嘩して仲直り
「ご、ごめんなさいっ一松!
避けてたのは人間だってバレたら追い出されると思ってっ!
助けてもらったのにヒドい態度とってごめんなさい!
だから出てけなんて言わないでっ」
人間の姿になり、私は一松につめより祈るように伝えた。
「……」
人間に戻った私を、あんぐりと口を開けたまま呆然と見つめる一松。
「……一松?」
目の前で手を振ってみると、一松は「ニ"ャ!」と猫がしっぽでも踏まれたような叫び声をあげ、ソファーから飛び上がった。
「そ、そこから動くなっ!近寄ったら殺すぞ!」
「は、はい」
大量の汗をかきながら、再び猫のように威嚇し、一松は壁までへばりつくように座り込んだ。
「と、とりあえず、なんで人間なのに猫になってんのか……教えて」
私は一松に今までの事情を話した。
こちらを見ずに耳だけかたむけて聞く一松。
猫のときは平然と抱き上げるくせに、私が話している間一松は視線も顔も合わせてくれなかった。