第49章 夢に囚われて ~おそ松王子~
そんな日々が続く中、俺はチビ太と狩りに出かけた。
王子の娯楽が狩りだぜ?
……パチンコ…競馬…麻雀……やりてぇよぉシクシク……
お馬ちゃんには乗れた。
いや、そもそも馬は乗るもんじゃない、かけるもんだ!
「結構遠くに来たな。
休憩しようぜ」
森の中、池のほとりでぼんやりと夢を思い出す。
てかさ……毎日夢の中で会えるのに……
なんで出逢えないんだろ?
恋焦がれちゃうってこうゆうこと言うんだろうね……
正直なとこ、結構きつい
もう城生活も終わりてぇな……
*「……あれ?マントがない」
ふと後ろを見ると木に引っ掛けといたマントがなかった。
「ああ、ちょっと見て来いよ。
おいらはここでもうひと眠り……」
しぶしぶ俺は森の中に一人で進んでみる。
てか、マントなくなるって……
ええー?
俺のその疑問はすぐに解消された。
木々の間から太陽の光が差し込んだ森の中、光が集まった花畑から声が聞こえる。
「私、王子様に会うの……
とても素敵な王子様♪
私のことを何度も何度も好きだと言ってくださるのよ。
夢の中だけど……
でも、同じ夢を何度も見るとその夢はかなうんですって」
服装はお姫様じゃない。
でも……森の光に照らされながら、動物達に囲まれているヒナはまさにお姫様そのものだった。
光の下で俺のマントを抱きしめる姿なんて……今すぐにでも後ろから抱きしめてやりたくなった。
い、いやいやいや……
でもさ……
こんな出会い方……
メ、メルヘン過ぎねぇ?
俺…今絶対、顔真っ赤だよ?
ヤバイよ?
どうやってここに入り込まないといけないわけ……
カサ……
俺の手に何かの感触が現れた。
なんだ?紙?