第49章 夢に囚われて ~おそ松王子~
「俺のこと……覚えてる?
ゆ、夢で何度も逢ってるだろ……
その瞳さえ、とても懐かしく感じる」
ああああーーーっ!!!何この台詞!
臭い!何この羞恥プレイ!?
すんっごい王子様ぁあああ!!!
こんな台詞、堂々と言うやついるのぉ!?
……あ、兄弟の中でも言えそうなやついたわ……
「あ、あの……」
「俺の名前わかる?」
光射す場で手を取り、腰を引きよせた。
まるで踊るかのように、身体が自然と動く。
……その顔……
…ずっと触れたかった身体…
…時間なんて……このまま止まってしまえばいい
「い、いいえ……
ですが、私も貴方のことを……
あっ……帰らなきゃっ、さ、さようならっ」
「待ってっ、またすぐ逢える?
夢じゃ俺……もう無理!」
「で、では今夜っ、森の奥の小さな家で!」
やっと会えたことに心からホッとし、俺はその場にぐったりと座り込んだ。
ピチョン……ピチョン……
で、だ……
今、俺がどこにいるかって?
なんかさ?
すんげー暗い地下の牢屋
お姫様と夜の密会か!悪くないねっ♪
とかね?
数時間前は思ってたわけよ?
森の奥の小さい家についたと思ったらさ?
誰もいねーし、いきなり後ろからぶん殴られるし……
「どこここーーーっ!!!???」
「魔の城ダジョー」
「どぅうわぁっ!!!???」
いきなりハタ坊が三体現れた。
こ、こえええっ!
赤・青・緑のハタ坊がいるぅうう!
「どうかお姫様を助けてほしいジョ」
「いや、その前に俺を助けて」
「だから、迎えに来たジョ」
三体のハタ坊は俺を牢屋から出し、剣と盾を渡される。
「え?何これ?」
「真実の剣と美徳の盾ダジョー!
真実の愛を勝ち取るんだジョー」
は?勝ち取るんだジョーって……
ボクシングアニメじゃねーんだからさ?
戦闘入んの?……ま、まじで?