第47章 夢に囚われて ~カラ松王子~
城に戻るとデカパンがダバダバと走ってくる。
そもそも何度も思ったんだか、王子様の御付きがパンツ一丁ってなんなんだ?
「ホエホエー!た、大変ダス!!!
婚約者のフラワー様が来たダスー!!!」
フラワー!?
「ホワァッツッ!!!???」
「カラち"ゅぅううんっ!!!!」
お、おお俺の黒歴史ぃいいいっ!!!!
「カラちゅんっ!!!
ちょっとぉっ!何なのこの女ぁっ!」
「あっ……いや、その………っ!」
婚約者ってなんだっ!?
夢なのにっ!!!
マーメイドストーリーにはそんなのなかったはず!!!
「ちょーっと会いに来なかったら、すぐ浮気ぃ?
どうせカラちゅんがイケメンだからって、この女が言い寄って来たんでしょおーっ!」
「………っ!」
ヒナはふらつく足で後ずさる。
「違うんだっ!ヒナ!!!
こいつはっ……!」
ドブスだっ!!!
くっ……こいつとリアル結婚式をしたなんてヒナに死んでも言えないぞっ!!!
「はぁ?マジ、私のカラちゅんに近づくなんていい度胸ねぇ?」
「ま、待てっ!
フラワーっ!!!彼女は大切な……っ!」
「はあ"あ"あぁっ!?」
ジロリッと睨まれ俺は後ずさる。
ひぃ!ビオランテッ!!!
変身するなよっ!!!
怖い怖い怖いーっ!!!
俺がビビっている間にヒナは城から出て行ってしまった。
ガーンッ!!!
「もぉーっ!怒ったわよっ!
結婚しないと私、死ぬからねーっ!!!」
「勝手に死ねっ!」
……はっ!!!
俺としたことがっ!!!本音がっ!!!
死ぬ……?
あ、ヤバいぞ……
このあと……ヒナっ!!!