第47章 夢に囚われて ~カラ松王子~
この後……
この後、もしかして……
もうヒナに会えない?
泡となって消えてしまう……
*いやっ!!!駄目だ!駄目だ!
俺がさせるわけないだろっ!!!
この物語をっ……
ハッピーエンドにしてみせるっ!!!
その夜、船上ウエディングパーティーを行うことにした。
海上には出ないがな。
フラワーには土下座して帰ってもらった。
いや、俺をボコボコにしてもなお、帰ってくれなかったので兵をつかって強制送還させたが……
フッ、夢でもあの妖精を無下に出来ないオレ。
な、情けない……
そして花嫁のいないウエディングパーティーが始まる……
タキシード姿で海を見つめるオレ……
来い……ヒナ……
頼むから……
*……カタッ……
「……待てっ!!!」
「……っ!!!」
音のした方向へ走り、ヒナのナイフを持った腕を掴んだ。
「俺の心臓はここだっ!!!」
俺はヒナの腕を引き、唇を重ねながら自分の胸へナイフを突き刺した。
船に乗る時、手に再び紙が現れていた。
読むタイミングが分からなかったが……
「俺の夢は俺の夢で終わらなければならない」