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【松】猫と六つ子

第47章 夢に囚われて ~カラ松王子~



何度かキスをしようとアタックしてみた。
しかし、何かにつけて邪魔が入り、身体に触れることすら上手いこといかない。
まるで物語を進めるために操作されているようだ……



城では声も出ないし、足も思うように歩けずに不自由な生活をしているヒナ。
人の手を煩わせるのが申し訳ないようで、どんどんと元気がなくなる……
やはり俺も……ヒナの声が聞きたい……



気晴らしにとデートへ誘い、二人で馬に乗る。
馬に乗せるとき、抱き上げることが出来たので、またキスを試みた。



……馬に蹴られた……俺…王子様なのにぃ……

そして湖畔につき、二人でボートに乗り、水辺をオールで漕ぎ進むと美しい景色が広がる。
夢の世界とはなんて素晴らしいのだろう……
美しいヒナプリンセスと一緒にいつまでも……



*いやっダメだっ!何を言ってるんだっ!?
あくまでもこれは夢だっ!!!
忘れるなっカラ松!!!



……ん?
カサ……
手に何か、いつの間に持っていたのだろう?
俺は紙を持っていた。
そのメモを読むとすんなりと俺の口から言葉がでてくる。

「……?」

「君は俺の助けてくれた想い人に…
とても似ているんだ。
声さえ、名前さえもわからない……
それでも……君に惹かれている」

惹かれている?
違う……俺は……
ヒナをもうずっとずっと前から……



君が好きだ……



俺はヒナに再びキスをしようとした……すると、ボートが見事にひっくり返る。

バッシャーンッ!!!

また仕様かっ!!!
くそっ!!!
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