第8章 ちらりとみえる本性
「その彼女と会ったのって夕方でしょ?それなら、俺こいつと一緒にいたけど?」
突然、一松は私を抱き上げた。
「ふーん……なぁーんだ、つまんねーの!
こいつが人間の女の子だったらAVみたいなことできるのになー」
ワハハと笑う長男。
何それ?!怖いんですけど!?
「クズな想像しすぎでしょ!?」
「でもヒナちゃんが猫だったら、僕ももっといろんなお世話してあげたいなぁ♪」
トッティ?トッティー???
視線が怖いよ?何のお世話する気なの?!
「トッティ!妄想スパイラル!」
笑いながら、ぶらさがったカラ松を回転させる十四松。
「ああああー!ブラザー!
レディで勝手に妄想するんじゃない!そして、そろそろ降ろしてくださぁーい!」
それにしても一松、なんで私といたなんて嘘をついたんだろ?
抱かれたまま私は一松の顔を覗きこんでみた。
一松は私の視線に気づくと、みんなに聞こえない声でそっと呟いた。
「……これでまた俺に貸しね……」
ひえっ、ゾワワワッ……