第46章 夢に囚われて ~一松王子~
「……わかりました」
「へっ?!」
「貴方様についていきます。
しかし、一日待っては頂けませんでしょうか?
ここでお世話になった人たちにお別れをしたいのです」
帰ろうよって、言ったのは俺だけど……
そんなほいほいついてくるもんなの?
しかし、俺に向けるヒナの眼差しは決意に満ちていた。
俺はチビ太と共に小屋から離れた場所で野宿する。
チビ太に城に帰ろうと駄々を捏ねられたが、城よりこの鬱蒼とした森にいたほうが、ずっと快適だった。
次の日、約束の時間に小屋へ向かった。
小屋の中には誰もいない。
何でだよ……
「ジョー……ジョー……」
小屋の裏手から声が聞こえた。
俺はチビ太は小屋の裏側へ向かう。
「ジョー……ジョー……お姫様が死んじゃったジョー……」
え?え?マジで?
1…2…3……7人、おんなじ顔で服と帽子の色だけ違うハタ坊がガラスの棺に向かって泣いている。
……六つ子のニートより怖えーよ……
「どっ、どうしてこうなったんでぃっ!?」
「早朝に変な婆さんが来たんだジョ……
お姫様はその婆さんからリンゴを受け取って、かじってしまったんだジョー!」
「………ああっ!!!」
毒リンゴっ!!!
俺は今の今まで何の話か、さっぱりわかっていなかった。
七人のハタ坊(怖い)……そして
毒リンゴを食べさせられるということは……
「白雪姫かっ!!!」