第8章 ちらりとみえる本性
私は猫の姿に戻り慌てて松野家に戻ると、カラ松が天井から吊り下げられていた。
「……」
六つ子たちのやることはときどき私の想像を絶する。
「第5035回、クソ松をこの世から滅する会を始めまーす」
と、一松。
何その会?!そして回数が半端ないんだけど、そんなにやってるの!?
しかも、なんかもうカラ松グッタリしてない?!
「カラまちゅー。
このカリスマレジェンドの長男様差し置いて、女の子と遊んでたんだって?
お兄ちゃん悲しいなぁー、なぁー俺にも紹介してよぉ」
「兄さん!僕もやきうする!」
ブンブンッとバットを振り回す十四松。
「十四松、野球じゃないからバットしまいなさい」
「あい!」
「あ、言ったらやめてくれるんですね」
「僕も自己紹介したんだしぃ。カラ松兄さん、彼女の連絡先教えてよ」
「フッ
……知らん」
ぶら下がったまま、なぜか決めポーズをしながらカラ松は答える。
「はあぁぁ?!痛松兄さん、何ふざけたこと言っちゃってるの?!
知り合ったらまず連絡先聞かなきゃ何もできないじゃん!」
「でたよ……あざトッティ。こえっ」
……うーん、携帯は家に置きっぱなしだから、連絡先聞かれても困るんだけどなぁ……