第7章 優しくて痛い
「カラ松くん!」
「ほぇあっ!?」
研究所から出てきた私に驚き飛び上がるカラ松。
「や、やぁ!レディ。
再び出会えた君へこれを。
そ、それで今度俺とデートをしてくれ!」
カラ松はバラの花束を私に渡す。
朝、買っていた花……
さっきダヨーンに追い出されたときにも投げられてたから、弱々しくなっている花束。
それでも私は嬉しくて心がポカポカと温かくなった。
「ありがとう!デ、デート?
えっと……
あ!ちょっと待ってて」
私は研究所に戻り、花束を活けた。
ダヨーンがちょっと無表情で見つめてくる。
いいじゃない!だって持って帰れないし!
「おまたせ!よかったら、ちょっと歩かない?」
「ああ、喜んでお供しよう!プリンセス!」
こ、今度はプリンセス……?
私とカラ松は夕暮れを並んで歩いた。