第38章 ずっと一緒に 中編
<チョロ松side>
「あの……ここの近くに未木さんってお宅あるの知ってますか?」
部屋に案内されているときに従業員へ聞いてみる。
「……え?もしかして松田様も未木様のご入用の方でしたか?」
あからさまに怪訝そうに僕らを見比べる従業員。
も?
も、って……?
「どうゆう意味ですか?」
「し、失礼しましたっ!
……六名のご予約でしたから、てっきりご旅行かと」
そう言いながら従業員は慌てて、部屋へ僕らの荷物を運んだ。
案内された部屋はとても広く、僕ら六人でも十分なくらいの広さだ。
僕ら以外にもヒナちゃんの家に用がある人間がいるってこと……?
どうゆうことだ?
「それでは失礼いたしました」
「ねえっ?!
未木さん家で何かやってるの?」
「ええ、町では有名なお家ですから。
お見合いされる方ですよね?」
「「はぁっ!?」」
僕らは荷物を置いたあと、教えてもらったヒナちゃんの家へ向かった。
「なんだ……これでっけー……」
僕らは家を見て、呆然とする。
目の前にはお城みたいな大きなお屋敷に立派な門構え。
僕らの家の何十倍あるんだろうか……?
ヒナちゃんがここにいる……?
「……ね、ねぇ、どうやって入んの?」
「ぶっ壊す?」
「じゅうしまーつ?仮にもレディの実家だぞ?」
「でも、僕らの顔バレてるんだよね?」
「これじゃ簡単に会いに来ましたなんて、言えなさそうだね……」
「……んー……
おっ?そこの奴と代わってもらおうぜ♪」