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【松】猫と六つ子

第37章 ずっと一緒に 前編


<カラ松side>

まだたった一日だ……
ありえない……こんな日々がこれからずっと続くのだろうか?



ヒナのいない世界
世の中がすべて色あせて見える



俺は夜通し屋根の上にいた。
もしかしたら、ひょっこり帰ってくるんじゃないかと……
帰ってきたら温かいココアを出して、レディの場所は俺の膝だろ?と教えてあげようと待っていたんだ。



以前、一緒に夜空を見ていたときにレディが少しだけ自分の家の話をした。
鳴けない猫だった、と……

どうゆう意味だ?と聞くと、今が幸せすぎて忘れちゃったと悲しそうに笑った。



ヒナ……今は幸せなのか?
どうして俺に何も言わずに去った……
何があろうとも君の幸せを願いたいのに、この拭いきれない不安はなんなんだ。



俺はデカパン研究所にきた。

「……レディを探す道具をくれ」

「そんなモンないダス。いないんダス?」

「実家に帰った」

「ほえぇ~?おかしいダスな。
初めて会ったときは帰る家なんてないって困ってたダスが……」

「そうだな……おかしいよな!」

きっとレディは今、幸せではないはずだ!
迷うことなど何もない!
レディは俺のことをきっと待っている!



「ダヨーン!」

「ほええ~彼女に頼まれていた新しく作った薬があるダス。同じように猫になるダス。
君達とまだ一緒にいたいからと……元に戻る耐性がつきにくいよう作り替えたんダス」

「レディ……」

猫にならなくとも、俺はずっと君のそばにいるというのに……

「俺が……必ず渡す」

「よろしく頼むダス!」
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