第36章 風邪を引いた猫
<チョロ松side>
やっぱり……やっぱり!どーしてもっ!
気になって僕は部屋を覗いていた。
一松はお粥を必死に冷ましてヒナちゃんの口に運んでた。
ヒナちゃんは猫舌だから、フーフーしてあげないとダメなんだ!
あーっもぉうっ!
本当は僕がやるはずだったのにっ!!
僕もヒナちゃんに、あーん♪とかしたいっ!!!
「もっとちょうだい一松さまぁは?」
「も、もっとちょうだい一松さまぁ……」
はぁあああ!?っざっけんなよっ!!
ヒナちゃんに何言わせてんだぁっ!?
いちまつぅーっ!!!羨ましすぎるぅぅ!
「ね、一松……
今日夜、どうしよう……
くしゃみで猫ににゃ、にゃれるかにゃ」
「あ?……んー……」
「みんにゃに移っても困るし……」
「移るのは別にいーけどさ……
てか、猫語が馬鹿っぽい」
ヒナちゃんは一松をムーッと睨む。
一松はそれをみて嬉しそうに笑った。
何このめっちゃいい雰囲気っ!?
羨ましすぎて、ケツ毛燃えそうなんだけど!?
「……なぁ」
一松がヒナちゃんの耳元でコソコソと話し始めた。
きっ聞こえないっ!
と、僕が耳をすき間に当てようとしたとき、襖が開けられた。
「……覗き?」
「へっ?い、いやっ心配でさ!」
「だったら最初からやればいいのに……俺、下行くよ」
「いっいやいやっ!だっだってさっ!」
「……もー自分でなんとかして……
うちの常識担当でしょ?」
そう言って一松は下に降りてしまった。
「……チョロくん」
「はっはいっ!」
「こっち来て?」
「でっでで出来ないよっ!
僕、ヒナちゃんに何かしちゃったら……っ!」
「大丈夫だから……ね?」
僕は後ろを向きながらヒナちゃんの横に座った。
「大丈夫。
私、嫌だったらちゃんと言うにゃ」
よしよしと僕の頭を撫でてるヒナちゃん。
にゃが可愛いにゃ……
「ぅっ、苦しっ……」
「だっ大丈夫っ?!」
「ふふっ、嘘だよ?」
慌てて振り返った僕に笑いかけたヒナちゃん。
も、もう……っ!好き過ぎるにゃーんっ!