第36章 風邪を引いた猫
<十四松side>
ヒナ、大丈夫かなぁ……
僕たちは買い物を済まして、急いで家に戻った。
カラ松兄さんと部屋に上がると、おそ松兄さんがヒナの服に手を突っ込んでた。
それアウトでしょ!?アウト!
「おそまぁーつ……お前ぇ……」
「げっ!いやぁ~ハハハッ!
やっぱ我慢できなくてさぁ~」
「十四松、卍固めっ」
「あいっ!」
「待てっ、十四松!悪かっ……ああ”ーっ!!!」
僕はおそ松兄さんをいつもよりもきつく卍固めした。
「レディ、大丈夫か?」
「……喉かわいたにゃ……」
「くそー、いてて。
あ、喉かわいてたのね?なるほどね、ハハ……」
「おそ松、お前……」
「い、いやっ、こっちの話!あいつらもそろそろ解いてくるよ」
フラフラしながら、逃げるように部屋を出て行ったおそ松兄さん。
絶対あれはなんかしたんだ……むむーっ!
カラ松兄さんはゆっくりヒナを起こして水を飲ませてあげてる。
まだ熱でぽやーっとしてる顔が可愛い。
「もう水は大丈夫か?」
「ありがとカラ松……」
「ああ、水替えてくる。頼むぞ、十四松」
「あい!
ヒナ、僕アイス買ってきたんだっ食べる?」
「うん……嬉しぃ……」
ニッコリと僕に向かって嬉しそうに笑ったヒナ。
可愛くて胸がキュッとなる。
きっと食べたいだろうなと思って、ヒナの好きなバニラアイス。
買ってきてよかった♪
僕はヒナの横に寝転がりながらアイスを一口ずつあげた。
いつもだったら僕が食べさせて貰うほうだから、すっげー嬉しい!
「ねね?美味しい?」
「うん……」
「えっへへー♪
ねえ、おそ松兄さんになんかされたの?」
「……ん、よく覚えてにゃ……
夢みてた……かも」
5,6口目でまたウトウトと寝始めたヒナ。
あー寝ちゃった……
僕は残ったアイスを一口でバクッと食べて……ヒナを見つめた。
見ているだけで、ほんわかと僕の胸が温かくなる。
でも、僕に笑顔を向けてくれるときが一番好きだな。
「……早く治ってね?」
ペロリとヒナの唇を舐めた。
バニラアイスの味がする。
「あんまーい♪」