第36章 風邪を引いた猫
<おそ松side>
何も用事もないままブラブラと歩く。
はぁー……まじ、あれは反則でしょ?
あれはないわ。
見つめられただけで、おかしくなりそうだった。
我慢できねーよ、あんなの……
もーうちのにゃんこにベタ惚れ。
やっぱ心配だな……帰ろ。
家に戻ると居間では一松と力尽きてる布団す巻き二個。
「……カラ松と十四松は?」
「買い物行った」
チョロ松はしょうがないとして……
トド松は……携帯か?
届かないところに置かれてグズグズ泣いてる。
ツッコミ二人が先に潰れてどーすんだよ?
「一松、ちょっと様子見てこいよ。
最初に行ったっきりだろ?」
「え……っ!俺が行くの?!」
俺が一松に言うと、す巻きの二人も信じられないという顔をする。
失礼だな、お前ら……
「で?どうすんの?」
「い、いい……俺……」
「ふーん……あっそ、じゃ俺、様子見てくるから邪魔すんなよ?」
「え……っ?」
一松がやられたという顔したけど、俺は気にせず二階へ向かった。
部屋は静かなものだった。
スースーと寝息をたてながら、まだ赤い顔のまま寝てるヒナ。
俺はそっとタオルを冷して交換した。
起きねーかな……
横に寝そべり、寝顔を堪能する。
寝顔もいいけど、こいつが俺を見る目が好きなんだよね……
手を伸ばし、閉じてる目に触れる。
頬に触れる。
唇に触れ……いかん……ムラムラしてきた……
もー移ってもいいやと俺は唇をそっと重ねた。
「……ん、おそ松くん……?」
ぽやっとした顔のまま目を開けるヒナ。
俺だってすぐにわかるのね?
ほんと、可愛いやつだな。
「あ、起きた?
いいよ、喋ると恥ずかしいんだろ?」
「……ん……」
まだ眠そうに目を閉じたりして、瞼と戦っているヒナ。
「寝るなよ……
移してもいいから、俺のこと見て」
俺はもう一度唇を重ねる。
今度は中までじっくりと堪能したくて、舌を入れてみる。
「……んっ、ふ……」
俺の舌に自分の舌を絡ませてくるヒナ。
あれ?嫌がると思ったのに……
ヤベー……何これめっちゃ気持ちいい。
そんなことされたら、俺、止まんねーよ?
俺はヒナの服に手を伸ばした。