第36章 風邪を引いた猫
<チョロ松side>
ハッと目が覚めると、僕は布団を巻き付けられ身動きが取れない状態だった。
あれ……
僕、何してたんだっけ……
「気がついたか?ブラザー?」
ドスッと僕の上に乗ったのはカラ松兄さん?
声が明らかに怒ってる。
「カラ松兄さん!?
おっ、重いんだけど!?」
「……ほう?十四松」
「あい!」
ドスッと更に重くなる。
「足んない?」
一松の声と共にドスッとまた更に重くなる。
「馬乗りイェーイッ!」
「ィェーィ……」
「いやいやっ重いって!?
何なの?!」
「まずチョロ松……
お前なんで気絶したのか覚えてないのか?」
「え……僕……そうだ。
ヒナちゃんの看病しに……」
「興奮しすぎて記憶ぶっ飛んだのか?
ヒナを襲おうとしたんだぞ?」
「えっ?えええっ???!!!」
「チョロシコスキー兄さん、ヒナちゃんの猫耳に興奮して襲っちゃったんだ~?
最悪じゃん?」
トド松の声と、ドスッと更に重くなる。
僕が襲った?
……ヒナちゃんを?
「ブラザーが大丈夫だというなら、これは外してやってもいいんだぞ?」
「……いや……しばらくこのままでお願いします……」
最悪だ最悪だっ!
ヒナちゃんに嫌われたくない!
どうしよう!?
「まぁ……トド松も一人で行ったら殺すよ?」
「えっ?な、なんでっ!?」
「わかってんだろーが」
「トッティ、ヒナ熱出てんのに動画撮ろうとしてたー!」
「トド松……」
「あぁーっ!ごめんなさいっごめんなさいっ!」
携帯没収されて、布団でぐるぐる巻きにされるトド松。
……うん、クズ同類だね、トッティ。
「あ、僕、ちょっと買い物してくるー!」
さっと十四松が立ち上がる。
「俺も行こうか。レディに飲み物とかいるだろう?
一松、頼んだぞ?」
「……え、俺、す巻き二個と留守番……?」
「だから、頼んだぞ?」