• テキストサイズ

【松】猫と六つ子

第35章 紙一重の二人 逆ハー


<カラ松side>

まったく……十四松はとんだヤンチャボーイだ。
六つ子に産まれた俺達だが、対極の位置にいると言っても過言ではないだろう。

可愛くて純粋なのは十四松!
カッコよく美しいのはオレ!
レディに甘えるのは十四松!
レディを甘やかせるのはオレ!
レディが世話を焼くのは十四松!
レディに世話を焼くのはオレ!

んー?比べてみるとヒナが必ず出てくるな。
俺と十四松はきっと誰かが間にいることで、丁度良くなるのだろう。



「頑張れ!ヒナー!」

「いっくよー!」

カキーンッ!と空高く飛んでいくボール。
ヒナは意外とスポーティーだった。
もう一緒に過ごすようになってから、しばらく経つがまだまだ俺の知らないところもあるんだな。

「はぁー汗かいちゃった」

そう言って俺の隣へ座るヒナ。
パーカーを脱いで、パタパタと手で扇いでいる。

「ほら、こっち向いて」

俺はヒナの首筋に光る汗をタオルで拭いた。
白いTシャツになると少し透けた下着に自然と目がいってしまう。
俺はそれをみて生唾を飲み込んだ。

……首筋を舐めたい。

いかん!ここにはスポーツに来てるんだ!
誘惑に負けるんじゃないっ!オレ!



「んじゃー僕もやってきマッスルー!」

「十四松っ頑張れっ!」

豪速球のマシンの球をガンガン打ち返す十四松。
ヒナは嬉しそうに見つめている。
そして、そのヒナを見つめてしまうオレ。

「レディ、汗で冷えるから着とこうか」

「んー?まだ大丈夫だよー」

「いやっ着とこう!むしろ着てくれ!」

「ふふっどうしたの?」

「……これでも結構、我慢してるんだ。
だから……」

俺はパーカーをヒナの肩にかけて、手をそっと握った。
汗を拭いたときは平気な顔をしていたのに、ヒナは恥ずかしそうに頬を染める。



「……っ!その顔は反則だ……」

結局、俺は我慢できずに、堪らずヒナに唇を重ねた。
/ 313ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp