第6章 猫の幸せ
……自分は猫なのだ。
私は自分にそう言い聞かせながら、一松が安心するまでそばにいた。
夕食頃になると、松野家の居間は大賑わいだ。
パチンコ負けたと騒いでいる長男を面倒くさそうに相手をする四男。
叫びながら走り回る五男をとめている三男。
猫の私に今日あった事を報告する末っ子。
私は気づけば、この家が大好きになっていた。
こんな賑やかで暖かい家は見たことがない。
「帰ったぜ!ブラザー」
「お、カラ松おかえりー遅かったじゃん」
「デカパン研究所にヒナのこと聞きに行くって言ってたよね?どうだったの?」
「ああ、忙しいと追い出されてしまった。また明日行ってくる」
「あの研究所が忙しいときなんてあんの?」
「さぁな。それよりマミーのディナーを頂こうじゃないか」