第6章 猫の幸せ
私は何事もなかったように座り込んだカラ松に不思議に思う。
私に会ったことは言わないのかな?
まさか……
もしかして……
猫の私のことを怪しんでいるとか?
カラ松の顔を覗きこんでみたが、ただいまと私に言いながら頭を撫でてくるだけだった。
食事も終わり、六人は銭湯へ向かった。
いいなぁ……身体洗いたいな。
私は松野家の風呂場に向かう。
松代お母さんが私用のタオルを出してくれているので、そのタオルで猫の身体をこすった。
一松やトド松が三日に一度はお風呂にいれてくれるんだけど……どうにも猫の身体でも洗われるのは恥ずかしい。
簡単に変身できたら銭湯に行けるのに……なんてね。
二階の六つ子の部屋へ行き、トド松が用意してくれたピンクのクッションに寝転んだ。
ここでの生活は楽しい。みんなを見ているだけでもなんだか幸せだ。
でも……
いつかは出て行かなければならない。
そうだ!元に戻ったら実は飼い主でしたと、挨拶に来てみようか?
……そうしたらみんな、どんな顔するんだろうな……