第34章 猫と松代
<ヒナside>
また殴ってしまった……
とりあえず起きる前に下へ降ろそう……と、私は倒れているカラ松を階段まで引きずり、上から落とした。
大丈夫大丈夫。
「あ、あの、い、いいかな?」
「チョロくん……どうしよう……
この流れ、止められない?」
「あーうーん……
じゃあ、まず僕を選んでみるのはどうかな?」
「えっ?」
「と、とりあえずだよ?
それで母さん達を安心させれば、みんなも納得するだろうし、何よりもヒナちゃんの身の安全が大事だからね?」
「……そ、それで?」
チョロ松は話しながらもどんどん詰め寄ってくる。
近いっ!近いっ!
「それから僕と順序よく明るい家族計画を進めて、あ、子供は3人でっ!
やっぱり女の子は欲しいかな!ヒナちゃんの娘とか超絶可愛いすぎでしょ!
……あーん、もうっ!ライジングが止まらなぁーいっ!!」
バチーンッ!
なんなの本当……
チョロくんもなんかライジングの世界へ飛び立ってた……
階段からチョロ松を降ろし、ぐったりと項垂れていると部屋に誰かいる気配がする。
キョロキョロと確認すると部屋の隅には一松がすでに座り込んでいた。
「……お邪魔します」
いつの間に!
さっきまで犯罪臭を漂わせていたくせに、完全に距離を保っている一松。
とりあえず10分このまま放置して過ごせばいいか……
「……」
「おい……」
「ん?」
「な、何か言うことないの?」
「私が?ないよ?」
「く、くそ……っ、に、兄さん達に何されたの?」
「えっ?
……うーんと……色々」
「いっ、色々っ?!
まさぐられたりっ!噛んだり?踏んだりっ?!」
「噛んだり踏んだりって……
しかもそれ、私がみんなにしたってこと?」
「だ、だって!
3人ともお前に叩かれてただろ!?
……お、俺も……叩けよ!」
「なっ、なんでっ!?
ちょっちょっと!一松服を脱がないでっ!
み、見えてるっ!
やだっ!こっち来ないでーっ!」
バッチーンッ!