第33章 色めく二人 逆ハー
<ヒナside>
その後、イヤミさんは二人にボコボコにされて、係員の人に連れていかれた。
私たちは猫達を連れて、イヤミさんの車で町に戻る。
ちょっと申し訳なかったけど、猫達を電車で連れて帰るわけにもいかなかったので、車を借りることにした。
私たちは小さな神社で猫達と別れた。
「ここなら、みんな家近いから……」
「よかったな、一松。
みんな嬉しそうに帰ってったぞ」
「うん……」
「しかし、レディ?
俺達と離れてるときに危ないことをするんじゃない。
レディも連れていかれたら大変なことになっていたかもしれない」
「ご、ごめんなさい。
咄嗟に動いちゃって……」
「俺達、便所行ってただけだよ……少し考えて動けよ」
「ごめん……」
「心配するこっちのことも考えて……ほんと」
「大切すぎて離したくないのに、そばにいてよ」
「あれ?にゃんこちゃん?」
ピョンッと私の元へ飛び込んでくるエスパーにゃんこ。
「あー
……こいつの散歩ルートだった……くっそ……」
「フッ、レディを叱るに叱れなくなったな」
「そういえば、こいつ……あんまりヒナの本音言わなくない?」
「え?本音?」
なんのこと?
「裏表があんまりないからじゃないか?」
「単純ってことか……?
ああ、思ったことまんま言ってるだけだからか……ふーん……」
褒めてるの?貶してるの?