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【松】猫と六つ子

第33章 色めく二人 逆ハー


<ヒナside>

「……ねえ?俺の言ったこと復唱してみて」

「えっ?ど、どう……」

「一松が嫌い」

「え?えっと……い、一松が嫌い」

「一松大好き」

すかさずにゃんこちゃんが答える。

「カラ松が嫌い」

「カ、カラ松が嫌い」

「カラ松大好き」

「え?えっ?」

一松とカラ松はにっこり笑った。



「「……どっちのほうがいいの?」」



「ど、どっちって……?」

「どっちも選べない。
二人とも愛してる」



「にゃっ、にゃんこちゃん!?」

「そーくるよね……はぁ……
どうする?カラ松兄さん」

「そうだな……あとはエスパーにゃんこ使わなくても身体に聞いてみるのがいいと思うぞ?」

「あーそうだね……
もうちょっとお前、身体で物覚えたほうがいいんじゃない……?」

「カラ松?一松?」

「ヒナ、もうちょっと俺達とデートしよう」

「愛してる、俺のすべてをその身に刻もう」

「っつーか……しっかり躾けてやるからついてこいよ」

「好きだって身体全部に教え込んでやるよ」

すべての言葉に愛を感じる。
にゃんこちゃんの言葉に私は心臓がバクバクと大きな音を鳴らしていた。



「……」



二人にじっと見つめられる。
この有無を言わせない感じ……
私の心臓が何が起こるのか期待するかのように早鐘を打つ。
二人の強い眼差しに何も言えず、大人しく二人についていくのであった。
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