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【松】猫と六つ子

第33章 色めく二人 逆ハー


<カラ松side>

手を洗い、元いた場所へ戻るとヒナの姿がない。
後ろから戻ってきたのは一松。

「一松、レディもトイレか?」

「……いや、待ってるって言ってたけど」

しばらく待ってみるが、戻ってこない。
心配だ、悪い輩に捕まってなきゃいいが……
それか猫になってしまったりしてないだろうか……
ヒナは少し抜けてるところがある。
そこもキュートとなんだが、やはり心配なことはかわりない。



「カラ松兄さん……あっち」

一松は何か気づいたようで、珍しくまともに俺を呼ぶ。
指してる方向には何か人だかりが出来ていた。

「行ってみよう。
一松、人だかりだが大丈夫か?」

「ここ来た時点で今さら……」

俺達が人混みに近づくと聞き覚えのある声とヒナの声が聞こえてきた。



「なっ、なんザンス!
商売の邪魔しないでチョーよっ!」

「商売って……何言ってるんですか?!
この子達はイヤミさんの猫ちゃんじゃないですよね?!」

出っ歯で悪党面、見世物のような妙な格好をしたイヤミとヒナが言い争っていた。

「ミーが捕まっ、連れてきた猫達を売って何が悪いザンス!?」

「そんなっ、横暴です!」

「ミーはチミの秘密知ってるザンスよ!
……なんならチミが商品になるザンスか?
六つ子達がいない今、チミはミーに勝てると思ってるザンス?」

「え…そっ、そんなつもりじゃ……」

「グフフフッ!覚悟するザンスっ!」



「「イーヤーミー!」」



「ギョギョッ!おそ松とチョロ松!?」

「カラ松と一松だし……」

「お前……レディに触ったな……
死ぬ覚悟は出来てるだろうなぁ?」

「こいつと猫達に何してやがる……ぶっ殺す!」



「シ、シェッ、シエェー!?」
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