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【松】猫と六つ子

第33章 色めく二人 逆ハー


<カラ松side>

一松は俺のジーンズを履かされ、更に不機嫌だ。
ジトッとヒナを睨む一松。
しかし、睨まれてもまったく動じてない。

「なんで着替えないといけないわけ……」

「一回着せてみたかったの♪
さすが六つ子だね?
みんなサイズ一緒でもいけるんだねー」

「ぇ……まじ、そんな理由で俺ひんむかれたの……」

「うん、でも似合ってるよ?
かっこいー!一松っ」

にっこりと笑うヒナに赤くなってタジタジの一松。
一松はヒナに大体弱い。
俺はちょっと羨ましくなった。

「レディ、俺のパーフェクトファッションはどうだぁ?」

「ん?うん!パーフェクトッ!
カラ松もかっこいーよっ」

「フフーン♪そうだろぉ?」

「……」

「……え?まじで?にゃんこ本音言わないの?」

一松が呆然と無言のにゃんこを見つめる。

「んー?どういう意味だ?いちまぁーつ」

「るせーっ!殺すぞっクソ松!」



やいのやいのしながら三人で出かける。
そう言えば俺もどこへ行くか聞かされていない。

「……電車乗るの?」

駅に着くとものすごく嫌そうな声を出す一松。

「二駅だけっ!ねっ?
あっ、なんだったら手を繋ごっか?」

「ふむ……俺と繋ぐか?ブラザー?
三人で繋いでもいいぞ?」

「何……馬鹿なの?
俺のこと何だと思ってるの?お前ら」

俺達に向かって大きくため息をつく一松。
心配なんだから、しょうがないじゃないか?

そして案の定、電車に乗るとオドオドしている一松。
意地っ張りなブラザーだ。
こうゆう時はヒナと話すのがいい。

「レディ、今日は髪型もキュートだな。トド松か?」

「あ、うん。
編み込み手伝ってもらっちゃった」

「……お前さ、あんまりトド松に髪いじらせるなよ」

「そうだな。あいつは女子じゃないぞ?」

「えー?ダメ?」

そんな可愛く言っても……

「「ダメ」」

ジッとどうやったらこんな髪型ができるのか不思議そうにヒナを見つめている一松。
意識が逸れたようで安心した。
たしかにキュートな髪型だ。
しかし、トド松が手伝っているというのは気に入らない。
俺も髪は触りたい。



下心があるという点だけは差はないな。
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