第5章 恋の歯車
「それより何か用ダスか?」
デカパンの声に思考を遮られ、俺はハッと思い出す。
「用……?ああ、猫……
キャット!そうだ、ヒナだ!
家で預かっているキャットがいるんだが、その猫もレディと同じ名前なんだ!」
「そ、そうなんだ?」
「ああっ!なんてデスティニーッ!
飼い主を探しているんだ!何か知らないだろうか?!」
「え、えっと……知らないなぁ。
……ごめんね?」
「ワスも知らんダス。
それより今、とっても忙しいんダス。
カラ松くん、そんなことは今度にしてほしいダス」
「え?
わっ、ちょっと!」
デカパンは俺を研究所から追い出した。
ジーザスッ!
まだレディに聞きたいことがあったのに!
彼氏はいるのかとか!
どこに住んでるのかとか!
しかし、都合もあるのだろう……
俺は研究所の前で待つことにした。
きっとレディは出てくるはず……
フッ、やっと出会えたなデスティニー!
回りだしたぜ!恋の歯車!!!