第31章 猫とハタ坊 後編
<一松side>
チョロ松兄さんを突き飛ばした勢いで、俺は反対側の通路に転がった。
振り向くと元の道が見えない。
なんなの、忍者屋敷かよ……
一人でとにかく上へ上へ向かってみる。
しかし、なんでこんな目にあってんだ?
ぐったりした重い身体を引きずりながら俺は上がった。
大きな扉を見つけた。
俺が中に入ると……
ハタ坊と猫の姿のヒナがいた。
ヒナは小さなお姫様ベッドに寝ている。
あん?なんだこれ?
「ジョ?!」
「……こいつ迎えにきた。
いいよな?ハタ坊」
「で、でもまだ遊ぶジョ……」
「あ?こいつはてめーのじゃねーぞ」
俺のだ。
「ほら、帰るぞ」