第31章 猫とハタ坊 後編
<十四松side>
部屋に入って、なんかボタンみつけたーって押してみたら、ゴロゴロ転がって気がついたら僕は一人になっちゃった。
兄さんたちの匂いも遠くなっちゃったし……
ヒナのとこまで行けばなんとかなるかなぁ?
僕は一人でヒナの匂いまで進むことにした。
面倒だったから、行き止まりがあったら穴を開けて、真っ直ぐ向かった。
僕はヒナのところへ行くんだ!
ドカーン!!!!
明るくて広い部屋に出たと思ったら猫のヒナとハタ坊がいた。
「アハハ!ヒナみーっつけた!」
ギューッといつもどおり抱きしめた。
猫の顔なのになんか驚いた顔してるなぁ?
あー僕が穴開けて入ってきたからかな?
僕はヒナを頭に載せてハタ坊のほうを見た。
「あげないよ?
欲しかったら、相手になるけど?」
「ジョ、ジョー……」