第4章 猫になるまで
元の姿に戻ると私は真っ白なワンピースを着ている。
白猫になったのはそのせいだろうか?
「どうだスか?元に戻ったりはしなかったダス?」
「うん、大丈夫」
「ほえほえー、まぁ試薬品ダスから」
そう言ってデカパン博士は何やらメモを取っていた。
「あと……何回つかえるの?」
「ほえ?そうダスな……
回数じゃないダス。
薬に体が慣れ始めたら、短くなってくるんダス」
「……薬が効かなくなったら、モニターは終わり?」
「もちろん、そうダス」
薬が効かなくなったら終わり。
私は自分で聞いておきながら、その言葉が重くのしかかった。
当たり前だ、私は猫じゃない。
「青い薬が人間に戻る薬。
赤い薬が猫になる薬。
チャームには一つずついれとくダス」
そう言って博士は新しい赤い薬を私に差し出した。
私が薬を受け取り飲もうとしたとき、部屋に1人の男の人が入ってきた。
「デカパン、ちょっと邪魔するぜ」