第29章 寒い日は誰と 逆ハー
<カラ松side>
夕ご飯も終わって、みんなで銭湯へ向かう。
もちろんヒナも一緒だ。
「十四松、また服増えてない?」
寒くなるにつれ、十四松の着込む量が増えていく。
気づけば着こんで身体が二倍くらいだ
「さ、さむぅーい!」
「まん丸可愛い……」
可愛い?
十四松のこれは可愛いんだろうか?
むしろよく歩けるな十四松。
「私、髪も乾かさないとだし、お風呂出たら先に帰っていいからね?」
十四松を心配するヒナ。
羨ましいぞぉ?
「……中で待ってるからへーき」
ヒナは十四松には世話焼きだ。
俺も真似したら、もっとかまってくれるのだろうか?
十四松の真似か……フフーン……
「着いたぜ!銭盗塁オーウッ!ハッスルッ!グホ……ッ」
「うるせぇ!死ね!」
全部言う前に一松に蹴飛ばされてしまった。
フッ、なかなか難易度が高かったな。
ヒナと入口で別れ、俺達はいつもどおり銭湯を過ごす。
「あれ?トト子ちゃんだー」
「やほーヒナちゃん」
ん?まさかっ?
トト子ちゃんとヒナのヴィーナスコラボ?!
俺とブラザー達は女湯の会話に耳をすませた。
「珍しいね?銭湯にくるなんて」
「うん、たまには庶民の生活に合わせようかと思ってぇ。
て、いうかヒナちゃんが来たってことはクソ共も一緒ってこと?」
「クソ……う、うん」
「げぇ、本当によく一緒にいられるよね?
トト子理解できなぁーい」
コ、コールドだぜトト子ちゃん。
「え、えーと、トト子ちゃんスタイルいいよね、羨ましい」
ヒナのスタイルもパーフェクトだ!
と叫ぼうとしたが、ブラザー達に殴られた。
なぜ……
「えへへ♪でもぉ、最近ちょこっとだけ体重気になるんだけどぉ」
「あ!じゃあまたマグロ釣りに行こうよ!
私、トト子ちゃんのマグロ大好き♪」
「えーしょうがないなぁ」
ヒナは甘えるのが上手いな。
……この間の大量の刺身はこれで手に入れていたのか。
俺もヒナに純粋におねだりされると何でもしてしまうだろうな……
可愛い可愛い愛しいレディ。