【イケメン戦国】Love is not needed.
第3章 その2
「うん、だから三成さんにあだ名をつけよう!なにがいいかな。」
「なにがいいでしょうか。」
お互いに顔を見合せ、クスクスと笑いながら緩い雑談が始まった。
「みっちー、とか?」
「みっちー?なんだか、突飛な響きですね」
「うーん、でも、みっちーって感じじゃないなぁ」
ななしはしげしげと三成を見つめ、再び別の案を考え始める。
その後2、3個のあだ名を思い付くも、どれもしっくりこず、中々収まらなかった。
しかも、
自分から言い出したものの、あだ名を考えることに実はそんなに情熱的になってないななしは既に飽きてきていた。
もう、みっつんでよくね。
と彼女が心のなかで決めたのは、あだ名をつけようと言い出してから1分程度しか経っていなかった。
「みっつんにしよ。」
「…みっつん、ですか。」
「うん。なんか三成さん、ふわふわにこにこしてて癒されるし、かわいい感じだから、みっつんで。」
いかにも取って付けたような理由でも、
純粋で素直な三成はななしの言葉通りに受け取り、花が咲いたような笑顔を浮かべた。
「わかりました。本日から私はみっつんです。確かにななし様のおっしゃっていたとおり、本名の原型を残しつつ、しかし和やかな響きを含んだ愛称ですね。」
「気に入った?」
「とても」
満足そうに頷く三成を見て、適当に決めてしまったことにななしは少しばかりの罪悪感を感じたが、それも一瞬だけだった。
「ではななし様、みっつんは軍議に戻ります故、ここで失礼させていただきますね。」
「あはは、案内ありがとうね。」
「とんでもございません。
…あ、言い忘れておりました。
あちらの籠にお着物をご用意致しましたので、お召しになってください。」
三成が指差した方を見ると、籠に入った高そうな着物が部屋の隅に置いてあった。