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【イケメン戦国】Love is not needed.

第4章 その3



うむ、と秀吉は暫く考え込み、そしてななしに向き合った。

「信長様へ話を持っていこう。丁度今宵の夕餉にお前を呼ぶよう言われているから、その際に話してみるといい。」

「…それは、ありがたいけど、なんで私呼ばれてんの?」

「俺も詳しいことは知らされていない。時期にわかることだ。」

「何かお仕事を頂けるといいですね。」

「…うん。」


どこか落ち着かない心持ちのまま、ななしは夕餉を待つことにした。


***********



「全員揃ったな。」


信長の言葉を合図に、夕餉が始まる。
ななしにとっては、武将達と食事を共にするのはこれが初めてだった。

目の前に置かれた御膳には、色鮮やかで美しい料理が並べられている。
先程までの不安はどこへやら、ななしはすぐには手を付けず、目を輝かせながら暫く料理を眺めていた。

「きれい。すごい。やばい。」

正直、戦国時代ではろくな食事が出来ないと思っていたななし。
これはうれしい誤算である。

「食わねぇのか?どれも自信作だぞ。」

「えっ?!政宗さんが作ったの?!」

驚きのあまり中腰になるななしを見て、秀吉と家康が眉をひそめる。
前者はななしの行儀の悪さに、
後者は喧しい、という意味を込めて。

それに気づかず、政宗はどや顔で胸を張る。

「まぁな。いいから食ってみろ。」

握りしめていた箸を丁寧に持ち直し、一番手前の煮物を恐る恐る口へ運ぶ。
瞬間、しっかりとした、且つ上品な味付けにななしは声もなく感動した。
食感も、固過ぎず柔らか過ぎず、絶妙だ。

「政宗さん…」

「おう」

「あんた天才や…」

「そうだろっ」

ニカッと白い歯を見せ笑う政宗。
ご満悦である。

嬉々として箸を進めていたななしだったが、ふと光秀を見ると、信じられない光景にその箸が止まった。

「え…光秀さん何してんすか…」

「見てわからないのか?混ぜているのだ。」

「いやそれはわかるわ。なんで混ぜてんの?!」

信じられないっ!
ななしは再び中腰になり、御膳から身を乗り出すような姿勢になった。

そこに、うんざりした様子で政宗が声を掛ける。

「ななし、家康のも見てみろ。」



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