第1章 1
オマケ。
kiyo特製のサンドイッチを満足そうに頬張って、何気なくケータイを開いた恵梨。
次の瞬間、恵梨は何度も俺の肩を叩いてきた。
「痛っ!!何やねん、恵梨」
「shujiさん!!!!大変です!!もう8時ですよ!?」
「それがどうしたん」
「ここまで来るのに2時間かかったんですよ!!早く帰らないと、10時になっちゃいます!!」
・・・・・・あ。
「えーと、恵梨、良いこと教えたる」
「え?」
「あんな、ここは、都内やねん」
「・・・え?」
「ちなみにスタジオまでここから30分で着く」
「えぇぇ!!??」
「恵梨がいたアパートからやと、本来1時間や」
「・・・・・・どういうことですか?」
「恵梨のドライビングテクニックを磨くために、遠回りしたんや」
「・・・・・・・・・」
恵梨は眉をひそめて俺を睨んでいる。
───その後、スタジオまで俺が運転することになったのは、言うまでもない。
【Driving Technique】