第10章 頑張れ!飯田君
昨日の訓練から明けた朝……
オールマイト教師就任のニュースは
世の中を駆け巡った。
情報を得ようと、連日雄英にはたくさんの報道人が押し寄せ、
来る生徒来る生徒に声をかけている。
「あの!オールマイトについて!!教えてください!!」
頑張る報道人に今声をかけられた人物は無表情に彼らを見据えて言った。
「……答えたくありませんね……」
雄英の生徒とは思えない冷たい言動に報道人側は目を見開く。
そして、それを見ていた周りの生徒が、その人物の名前を囁いた。
「おい……アレ、特待生の虚言 リラだろ?やっぱり……違うなあ……マスコミへの対応が!!」
「でも……本当に笑わないよなあ……」
虚言 リラ……
その名は4月当初……かなり話題になった人物……
超難関校である雄英の特待生枠入学者
で、個性不明の謎めいた少女……
少女の発言と少女の風格にマスコミ人はつい黙ってしまう。
そして、そんな少女を見るマスコミの影で、彼女の後ろ姿を写メる怪しい男が一つ、男は言った。
「………みーつけた……」
その顔は狂気的に笑い、
写真の中の少女を見つめ……
愛おしげに呟いた。
「大きくなったなぁ………待っててね………リラ…お前を…………迎えに行くからさあ……」