第9章 耀の思いと少女の夢
彼等が仲良くなる中、リラは、
未だ目を覚まさずにいた。
耀は彼女をベッドに下ろし、付きっきり…で彼女を看病する。
別に眠っているだけで、病気じゃない…だけど…この眠りは、リカバリーガールも言ったが普通では、ない…
苦しい記憶に閉じ込められ、起きるまで、苦痛が全身を回るんだ。
「また……無茶したのか……ほんとに、リラは馬鹿だなあ……お前は、……」
ピンポーン……
すると、家のベルがなり、耀はドアモニターを見る。
そこに映ったのは……
「アレ?消…とひざし?何で家に?」
「どうせ!!辛気臭い顔してんだろ!!どうだ!!飲もうぜ!!」
そう、マイクがビールをモニターにチラつかせる。
相澤は何も言わないが、今日は、マイクに引きずられ来たわけでは、ないようだ。
「わかったよ……今、開ける!」
ドアを開ければ、広いリビングに耀はいつものように、彼らを招き入れた。
「……本当にいきなりだなあ……そこ座ってて……」
「で?どうなんだよ!リラちゃんの様子は?」
「……いや……なかなか、目が覚めなくてね……相変わらず、苦しそうなんだよ…」
「今日のDVD見たが……あいつは、良くやってたぞ……ただ、今のあいつは、2日が限界か……」
「そうだなぁ…リラには感情が今ないから、威力半減の負担は2倍だからね………
俺は……今のあの子に無理を生じさせてるけど
それでも、俺はあの子をヒーローにしたいんだよ……恨まれても……だって……それがて…姉さんとの約束だ」
耀の姉事……虚言 紅葉(キョゲン クレハ)は彼女の実の母である。
でも…ある日を境に突然、
紅葉は彼女の父同様にこの世を去ったのだ。
彼女の夢はそのような苦しい瞬間を幾度となく見せ続ける。
でも…耀は約束していた。彼女の母は即死ではなく少し意識があった時があったのだ。その時、交わした約束は、耀にとって、絶対守ってやりたいもの、
『…………〝あの子を………あの人との……大切な……あの子のヒーロー姿、見てあげたかっな〟
ごめんなさい……貴男……私も、そっちに行くみたい……』
紅葉の言葉が離れなかった、耀は、彼女を絶対にヒーローにしようと決めた。
「だがら……オレは、アイツをヒーローにしたいんだ……誰よりも、優しいあの子は、誰よりも俺のヒーローなんだから……」