第7章 少女と緑谷
「なら……君には……話せそうだね…強い意思だ
…秘密は言わなくていい
……けど……私のは、君に言っても良さそうだねぇ……」
「え?虚言さん……だよね?」
「うん!そうだよ?
あぁ……いつも無表情だから緑谷君は驚いてるの?………」
「…………うん………でも…それが、本当の君なんだね……」
「そう……じゃあ……早速、私の個性の説明をしようか………私の個性の名は……実現……思い……言葉……感情で全てを凌駕する能力さ……」
実現……その……個性って……
「じゃあ……君は……あの有名な……」
「そう……よく知ってるね?私が9歳じゃあ……君も9歳か10歳だろう?」
「知ってるよ………だって……あの事件は、ヒーロー業界をより良いものにした事件だから……」
「そう……思ってくれてるなら嬉しいなあ……でも……私は、救えなかったの……数百人の命を……だから……私は、個性の発動条件の一つである感情を消すことにした。
本当は…ヒーロー何て目指すきなかったんだ………けど……死んじゃった両親が……
私をヒーローにしたかったみたいだから………
今の私はここにいるの……私が背負った命の分を世界を見せるために……ここにいるの」
そう笑う彼女に緑谷は胸が締め付けられる。
彼女は……力を使いこなせなかったんじゃない………
もう……誰も失わない為に使わないんだ……
彼女はそこまで言うと、
「delete………」
と再び無表情に戻った。
「だから………“出久”……私のように後悔しないでね……大切な人を……なくしちゃう前に……叶えてね………」