第7章 少女と緑谷
生徒達から離れ、相澤が校舎の方へ戻ると、彼とは対象的なヒーローが彼へ声をかけた。
「相澤君の嘘つき!……」
「オールマイトさん……見てたんですねぇ……暇なんですか?」
「合理的虚偽ってえ?エイプリルフールなら一週間前に終わってるぜ…君は去年1年を1クラス丸々除籍処分にしている。
見込みなしと思えば、迷わず全員切り捨てる……そんな男が前言撤回!!…それってさあ!……」
オールマイトはビシと相澤に指を向け嬉しげに笑う。
「君もあの子に可能性を感じたからだろう?」
可能性……そう言うオールマイトに
相澤は少し微笑すると、彼の質問に応える。
「君も?随分肩入れしてるんですね?先生としてどうなんです?それは………けど……可能性がゼロではなかった。見込みが無いものは……いつでも切り捨てます。」
そう彼は再び止めていた足を進めた。
「半端に夢を追わせることほど残酷な事はない……」
相澤の応えに、彼の背中を見たオールマイトは……
「君なりの優しさって訳かい?相澤君……けど……やっぱり…合わないんだよなあ……」
そう彼に向け呟くのだった。
授業を終えれば、皆帰る準備をすると、
リラに麗日が声をかける。
「リラちゃん!!一緒に帰ろ!」
彼女は人が嫌いだ……それは…クラスメイトも同様で……今まで、こういう誘いは愚か、友達すら中学ではいなかっため……された事はない……
すぐ、飯田と緑谷を向け、今度は4人で帰ることになった……
「えっと……飯田天哉君と緑谷デク君だったよね?」
「デク!?」
「アレ?違うの?」
「あれは……かっちゃんが馬鹿にしてるだけで、本名は出久なんだ……」
「なるほど……裂傷か」
「そうなんだ………でも頑張れって感じでなんか好きだなあ!!私!!」
「………デクです」
真っ赤になる緑谷を眺め、彼女は
今まで、考えられなかった状況に
彼女は消したはずの感情があったなら……
きっと…彼等へ……笑えていたのだろうか……