第4章 初めまして…赤と白
そして………彼女の結果は余裕の合格……
文句なしの特待生だ………
わずか3分で敵及び救助を行い、更に、参加者の助けまでしたんだ当然である。
しかも、彼女の中学の成績もそれに見合ったものだった為、周りが納得する形に
綺麗に収まってしまった。
試験も終わり、彼女は肩をまわしながら、試験会場を後にする。
「疲れたあ………これから………ヒーローになる為に通うのかあ………
どうしよう…………大丈夫かな………向いてない気がしてしょうがないよ………」
試験は終了……実技試験の得点
は宣言通り、3分足らずで、敵及び救助を行った。更に、それ以外の者の救助
と堂々のぶっちぎりである。
その他、筆記でも…彼女は実力を見せつけた。
「まさか……オール満点とはね……」
「優れた個性に膨大な知識は……大人が危険視するのも頷ける……」
彼女は個性の発動条件のお陰で頭もよかった。
こうして春…リラ…はいよいよ…ヒーロー科に入学する。
だが…リラは他とは違う受験者だった為
色々な手続きやら、書類やらを直接校長へだしに行かなければ行けなかった為
登校時間より2時間早めに家をでた。
いつもの中学登校の道とは違い……憂鬱になりながらも、
彼女は足を進める。
彼女の中学では、どうやら、彼女を含め3人が雄英に入る事が決まったらしい……
昨日、彼女の中学の校長に受験報告をしに行くと、何故か、感動して泣かれてしまった。
理由は彼女が雄英特待生試験をほぼ満点で受かった事によるものだ。
だから…今、彼女は物凄く憂鬱なのである。
只でさえ、試験が別日で誰とも会って無いのに………特待生枠というとんでもないレッテルを貼られているのだ……
ヒーロー志望とは言い難い自分が本当に良いのか……
そう思いながらも、
彼女は両親と校長の約束を優先したんだ。
それが、きっと、彼女の前で亡くなった二人への恩返しだろうから………
彼女の父は5歳の時……母親は12歳の時にそれぞれ別の者に殺された。
両方共ヒーローだった。
そこから、耀に引き取られ、リラは今まで生きてきたのだ。
「大丈夫………だよね……いいんだよね…」
ヒーローは嫌いで……ヴィランも嫌い……そんなヒーローでも……
そう、リラは一歩を踏み出した。