第13章 オールマイト
「オールマイト!?」
オールマイトは彼女を守り、
壁に押し付けられる。
「っオールマイト!」
やっぱり……彼は……怪我を……
「加減を知らんのか!?」
守られたリラは拳を握り、
そっと彼の傷口に手をかざし……
「……お願い……負けないで……」
「あぁ!勝つさ!!」
儚げに微笑んだ。
オールマイトはリラの力に拳を握りしめ、
向かって来る脳無へと振りかざす。。
何度も何度も食らわし続け
その姿は…彼が弱っているなんて
…微塵も感じられないほど圧巻のものだった。
でも…
オールマイト…いや、俊典さん…
貴方は…きっと、こう思っているんだよね…
私はやならなきゃならない…なぜなら…
〝平和の象徴〟だからって…
だけど…
リラは笑いながら、そっと彼に向け小さく呟く。
「〝Victory to him〟」
彼に勝利を……
今はこれしか言えないけど…
俊典さん…私はやっぱり…貴方がいてくれたから……生きていてくれるから…
ヒーローを……目指したんだよ……
父も母にも憧れたのもあるけど……
1番の憧れは…笑顔で人を救える…誰よりも優しい貴方が…好きだったから……
リラはそう彼に能力をかけ、そのまま、フラリと倒れ込む。
ダメみたいだ…まだ、見ていたいけど……お願いですどうか……勝って…
そんな彼女が遠のく意識の中でみたのは…
彼女を支えたのは、
「だから…無理はすんなって言っただろ…お前はあの人に良く似てる…」
彼女が忘れた影のヒーローだった。…