• テキストサイズ

死の道へ

第5章 「すれ違い」


拓弥は、首を傾げた。

「瀞哉…今、闇璃なんて言った…?」

そうか、今能力を使ったから、拓弥にはきこえないんだ。

それはそれで、仕方ない。

だけど、今は拓弥を逃がす事が優先だ。

俺は、拓弥に言った。

「いいか、拓弥。俺が、あいつを止めるから、その間に逃げろよ?いいな?」

「…わかった。瀞哉…死ぬなよ?」

俺は、頷いた。

俺は、闇璃に向かって走り出した。

そして、その同時に拓弥も走り出した。

闇璃は、舌打ちをした。

俺は、闇璃に向かって剣を振り下げた。

受け止める彼女……。

『これで、お前が死神だと知られてしまったな。』

だけど、彼女は悪笑いをした。

『知られても、私は殺し続ける!何があっても!』

これで、少しは情報が漏れた。

それはそれでいい。

お互いに離れた。

体力的には、彼女は限界だった。

既に、息も上がっていた。

彼女は、黒い霧を発生させた。

そして……。

『殺してやる、瀞哉さん、拓弥先輩も皆…ね…?』

彼女は、黒い霧の中で消えていった。

逃げたのだ。

やっぱり、決着はつかなかった。

俺の予想通りだった。

校庭は、死体だらけ……。

俺は、手を合わせた……。

……ごめん、守れなくて……。

そう謝ってしまった。

そして、俺はその場を離れた。

夜の戦いは終わった。

俺は、大人しく家に帰った。

でも、拓弥に見られてしまった。

拓弥も恐らく、闇璃に狙われると思う……。

そのためには……俺が闇璃を止めないと……殺さないといかないんだ。

すると、扉のノックが聞こえた。

こんな時間に誰だよ……。

俺は、扉を開けると……。

驚いた。

俺のクラスの委員長がいた。

そして……。

「瀞哉こんな時間にすまない。今、先生から連絡が入って明日、お休みになった。」

えっ!?

委員長は、それだけを言って、また何処かへと走った行った。

恐らく、他の人にも言わないといけないらしい。

……学校がお休みか……。

お休みの理由は、何となくわかっていた。

あの校庭にある大量の死体が、原因だと……。

俺は、扉を閉めて椅子に座った。

先生達も、あの死体には驚いているだろう。
/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp