第5章 「すれ違い」
『…闇璃。お前は、本当にダメな奴だな。』
時間は、もう夜だった。
恐らく、予想では決着はつかないと思う……。
それは、それで……辛い……。
この気持ちをズルズルと引きずりたくはない。
闇璃が、俺に襲い掛かった。
左から大鎌が来た。
受け止める。
俺は、闇璃に向かって蹴りを入れる。
彼女は、避けて俺から離れた。
彼女は、黒い霧を発生させ……呪いが飛んできた。
俺は、それを全て避けて、闇璃に接近する。
下から上に、剣を振る。
彼女は、それを読んで避けた。
蹴りが襲い掛かってくる。
俺は、左腕で受け止める。
ボキッ!
嫌な音がした。
俺の左腕に、負担が掛かった。
俺は、闇璃から離れた。
『いて…。なんつう威力だよ…。』
恐らく、骨にひびが入ったと思う。
そんな事、気にしてはいけない。
俺は、立ち上がった。
『ほう…。流石は、瀞哉さんですね…。』
彼女は、悪笑いをしながら言った。
俺は、再び剣を握る。
その時……。
ガサッ!
足音が聞こえた。
振り向いていると……。
『なっ!拓弥!』
拓弥が居たのだ……。
もう夜だから、それに帰ったはずでは……?
「瀞哉?それに…闇璃も…?なんで?」
「逃げろ!拓弥!早く!!」
そう叫んでいると、横っ腹に激痛が走った。
闇璃の蹴りが入ったのだ。
俺は、その場に倒れる。
『っ!がっ!』
血を吐く。
闇璃は、拓弥に向かって走り出した。
まずい!
拓弥が死ぬ!
闇璃は、無表情で拓弥に向かって大鎌を振り上げて……。
「死ね…。碕雫拓弥。」
「やめろーーーっ!!」
俺は、無我夢中で走り闇璃が大鎌を振り下げそうになった所を……。
俺は、彼女に向かって蹴った。
彼女は、吹っ飛んだ。
『…っ…。』
彼女の口から、血が流れ出した。
拓弥は、取り乱す寸前で抑えている。
そして、冷静に言った。
「闇璃が…死神だったんだ。そして、瀞哉は天使…。…瀞哉…。辛いな…。」
拓弥は、辛そうな顔して俺を、心配してくれた。
俺は、大丈夫だと言った。
彼女は、立ち上がった。
大鎌をこちらに向けた。
『このままで、終わらせない。』