第4章 「狂い」
助かったのは良かったけど……。
俺も、家に帰らないと……。
俺は、この学校を抜けるため走り出した。
その時!
脳裏で……。
『天河瀞哉。明日の夜、待ってるぞ…。まぁ…。それまでに、何人殺そうかな。』
死神の声が聞こえなくなった。
完全に消えたのだ。
息を呑んだ。
~???~
……。
あぁ、伝えたのは言いが……。
これで、良かったのだろうか。
まぁ、いいか……。
正体が、バレるまでが時間の問題だ。
正体がバレようがバレまいが、我には関係ない事だ。
……舌打ちをする。
あの物語通りなら、我が滅びる……。
天河瀞哉に……よって。
~瀞哉の家~
俺は、家に着くなり自分の部屋に入った。
死神にあんな過去があったんだ……と考えていた。
……差別をされていたなんて……。
恐らく、この話はあの死神のご先祖にあった話しだ。
……明日か……。
正体を掴んでやる!
絶対に!!
何が何でも!!
俺は、心の中で誓った。
~次の日~
太陽の光で目を覚ます。
……今日の夜、死神とまた戦うのか。
だからといって、気持ちを暗くしてはいけない。
拓弥や闇璃に、心配をさせたくはないからな。
今日は、彼女は来るのかな?
俺は、リビングに向かった。
それと同時に、扉のノックが聞こえた。
まさか、彼女なのか?
俺は、扉を開けた。
本当に彼女だった。
「お、おはようございます。あの、これいつもの朝食とお弁当です。今日も、部活があるので失礼します。」
「あぁ、ありがとう!」
俺は、闇璃にお礼を言って受け取った。
彼女は、走って学校に向かった。
俺は、椅子に座った。
彼女から貰ったご飯を食べ始めた。
そういえば……今日の彼女、笑っていなかった。
闇璃が笑っていないと、俺の心も沈んでいく感じだった。
……無理もないか……。
今度、俺が笑わせてやるよ。
闇璃の笑顔が見たい。
だから、今は少し待っててくれ。
死神を倒すから、安心して暮らせる町にするから。
そうしたら、闇璃は笑ってくれるよな?
だが……この時の俺はわかっていなかった。
彼女の心が、壊れていたという事を……。