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死の道へ

第4章 「狂い」


逆に、黒い霧から何か俺に向かって襲い掛かってきた。

俺は、咄嗟に避ける。

大鎌から離れてしまった。

『…せっかくのチャンスだったのに…。』

悔しい思いがいっぱいだった。

……とりあえず、今のは……何だったんだ?

死神は、大鎌に近づいた。

大鎌が抜かれた。

今夜こそ、抜かれてしまった。

相変わらず、男か女かわからないな。

隠す理由でも、あるのか?

もしそうだとしたら、フードを取ってやる。

『今のは、なんだ?』

俺は、死神に向かって質問をした。

死神は、無表情のまま言った。

『あぁ…。死神が得意とする。呪いだよ。今の当たっていれば、自由が奪われる…。残念だったよ…。』

……。

呪いか……恐ろしいな。

でも、避けて正解だったみたいだ。

仮に当たっていたら、殺されていたかもしれない。

再び、死神は大鎌を構えた。

『天河瀞哉。ここで、死んでもらう。』

俺も、剣を構えた。

そして、お互いに一歩踏み出して……。

ダッシュした。

キイイィィィーーー!!!

金属音のぶつかり合いが響く。

物凄い音だ。

左から、大鎌がくる。

俺は、避けるなり剣を、死神に振り落とす。

大鎌で防がれる。

……流石に強いな。

お互いに、距離を取った。

すると、死神が……。

『…っ…。まるで、あの物語になってる…。そうしたら、我は…。きっと…っ…。』

死神は、複雑そうな表情だったかもしれない。

確かに、今この状況だったら、あの物語になっている。

……死神に、勝てるのか?

いや、勝たないといけないんだ。

母さんと父さんの仇をとらないと……。

俺が、死神を殺すんだ。

『お前のおかげで、父さん達が殺された。俺は、こんな事許さない。絶対にっ!!』

死神は、最初悪笑いをしたが……やがて……。

『だったら、我もお前を許さない。我の大事な人を奪った。天使が…。憎い…殺してやる。』

睨み合いをした。

その時……。

誰かの足音が聞こえてきた。

俺は、焦った。

今、来ると……死神に殺される!

どうすればいい!

すると……死神は舌打ちをした。

『チッ…。ここは、引き返すか。』

そう言って、黒い霧を発生させ、消えていった。
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