第4章 「狂い」
『…あの物語は、知ってるな?【死神達は、森に住んでいた。】と書いてあったな。実は、死神達も普通に町に住んでいた。』
その言葉に、俺は、驚いた。
死神は……本来、町に住んでいた。
それって……どういう事だ……?
だって、物語では……死神達は森に住んでいたって……。
死神の顔は、見えないが……何故だか悲しく感じた。
『…死神達は、町の人達に嫌われ…虐待を受けていた。死神達は、存在してはいけない。そう、いつも言われていた。』
その言葉は、とても痛々しく、悲しい出来事だ。
だが、今まで悲しそうな雰囲気だったが、いきなり雰囲気が変わった。
俺は、息を呑んだ。
悲しみから怒りに変わったのだ。
『死神達は、村から追い出された。仕方なく、死神達は森に住み始めた。だが…町では天使が生まれた。町では、天使を祝いした。死神とは逆だった。それを見た死神達は、許さなかった。だから…。死神達は…。』
『…人間を殺し始めたのか。』
俺の言葉に、死神は頷いた。
『恐らく、それがあったから、恨みが生まれた。人間を許す事は、絶対に許されない。だから…我は…。人間を殺す、そして、憎い天使も…。』
……死神に、こんな事があったんだ。
でも、それでも……。
人間を殺すなんて許せない。
俺は、死神を睨む。
死神は、悪笑いをした。
死神は、俺に向かって襲い掛かった。
大鎌が振り落とされる。
剣で受け止める。
流石に、大鎌の重みを感じた。
避ける。
大鎌が地面に突き刺さる。
俺は、死神から離れた。
大鎌を引き抜こうとするが……。
取れない。
『っ…。』
流石に、あの死神は焦っていた。
今がチャンスだ……。
俺は、死神に向かってダッシュした。
すると、死神は大鎌を手放した。
俺から、離れるために……。
俺は、大鎌の横に立つ。
これで、死神の戦える武器がない。
死神の動きが止まっている。
『…どうした?死神?大鎌がないと戦えないのか?』
今の死神は、無防備だ。
殺すなら今の内だ。
だが、俺の考えが甘かった。
死神は、黒い霧を発生させた。
っ!
逃げるつもりか?
だが、死神は逃げなかった。