第4章 「狂い」
彼女、結局は学校に来なかったのかな……。
そう思ってしまった。
……夕食どうしよう……。
やっぱり、買って帰るかな。
そうと決まって、校門まで出てみると……。
いないはずの彼女が歩いていた。
……おかしい。
なんで、いるんだ?
もしかして、俺の勘違いか?
いや、あれは……本人だ。
俺は、彼女に声を掛けた。
彼女は、振り向くと同時に身構えた。
俺は、不思議に思った。
彼女が身構えたのは、ほんの数秒だった。
そして、微笑んだがどこか寂しそうだった。
「瀞哉さんですか…。どうしたんですか?」
「…いや。今日は、学校に来ないと思ってさ…。ここに居る事がビックリして…。」
彼女は、頷いた。
ここに来た理由は、荷物を取りに来たみたいだ。
朝、ドタバタで荷物を学校に置き忘れてしまったみたいだ。
すると……彼女は……。
「瀞哉さん。」
「ん?」
彼女の言葉と同時に強い風が吹いた。
「―――――って怖いんでしょうか?」
最初の方が、全く聞こえなかった。
でも、確かな事は、゛何か゛を言った事だ。
俺は、彼女に聞いた。
「闇璃…今何て言った?」
彼女は、俺に背中を見せて……。
「何でもありません。大した事ではないので……。」
と言った。
本当に、何て言ったのだろうか……。
気になって仕方ない。
だけど、聞いてはいけないような気がして聞けなかった。
彼女は……。
「瀞哉さん。すみませんが、今日は夕食の準備ができません……。」
と俺に、謝ってきた。
俺は、首を左右に振った。
別に、闇璃が悪くはないし。
「…大丈夫だよ。コンビニで買うから…。」
彼女は、俺に背を向けたまま小さく頷いた。
俺と闇璃は、コンビニの近くまで一緒に帰る事になった。
~コンビニ~
俺は、コンビニに着くなり彼女と別れた。
お互いに手を振って……。
だけど、彼女は帰りの時、笑っていなかった。
いつも別れる時は、俺に笑顔を見せた。
それが……今……笑顔を見せない。
恐らく、家族が亡くなったから、ショックが大きいのだろう。
俺は、コンビニの中に入った。
俺は、そんなに時間を掛けずに弁当を買ってコンビニを出た瞬間……。