第1章 「噂」
その先には、彼女をいじめていた、四人組の女子達がいた。
俺の姿を見た。
「天河先輩じゃないですか。これからお帰りですか?」
俺は、頷いた。
俺に、近寄って来た。
「梁沢闇璃の事、知ってますか?」
四人組の女子の1人が言った。
きっと、彼女の悪口でも言うのだろう。
俺は、とりあえず頷いた。
そして…。
「あの子には、気をつけた方がいいですよ。悪い事してる子ですから。」
と、クスクス笑いながら言った。
おそらく、俺を遠ざけようとしているのだろう。
そんなのバレバレだっつうの…。
俺が、言おうとしたとき、後ろから…。
「何、私のまた変な噂を流しているのですか?」
彼女がいた。
俺は、驚いた。
あれから、そんなに時間が経っていないはずなのに。
四人組の女子の顔色が、変わった。
それに、態度も…。
「あんたには、関係ないことよ!」
「じゃ…なぜ私の名前が出だのですか?答えてください。」
明らかに、彼女は怒っていたような気がする。
俺には、そう感じた。
女子達は…。
「別に、いいじゃん!なんだって!!」
女子達も怒っていた。
もとからは、女子達が悪いのだから…。
俺は、とりあえずこの喧嘩を止めなければ…。
「お、おい。止めろって!喧嘩したって何も、いいことないって。」
女子達は…逃げて行った。
そして…彼女は…。
「すみません、瀞哉さん。あの人達は、私のクラスメートです。」
と俺に謝っていた。
俺は、そんなことは気にしなかった。
「何、謝ってるんだ?俺は、気にしてないから、別にいいよ。」
すると…。
彼女は、微笑んだ。
その微笑みには、俺は、びっくりしていた。
脳裏では、可愛い…なんて思った。
彼女は、首を傾げた。
俺は、頭を左右に振った。
「…なんでもない。そうだ、送って行くよ。」
彼女は、首を左右に振った。
「大丈夫です…瀞哉さん。1人で行けますので…。それでは、瀞哉さん。また、明日学校で…。」
と言って、彼女は歩き始めた。
俺は、彼女を見送る事にした。
彼女が、そう望んだからだ。
あれから、自分の家に帰るまでの間、彼女の微笑みが頭から離れなかった。
俺…どうかしちゃったのか…。
悩んでいた。
家に着いた。
「ただいま…。」
家の中に入る。
そこには…。