第1章 「噂」
しかし、彼女はもとからわかっていたかのように、弓道部に使う弓を盾にして、ほうきを防いだ。
女子達は、驚いた。
言葉を失った。
勿論、俺も…。
そして、彼女は女子が持っているほうきを取り、男子に渡した。
受け取る男子。
そして、彼女は教室を出た。
拓弥は、言った。
「どうする?このまま、追いかける?」
俺は、思わず頷いた。
彼女の後を、追いかけた。
まぁ…行く場所は分かるけど…。
場所は…弓道部へ…。
~弓道部~
彼女は…。
俺は、周りを見回した。
すると…弓を構える彼女がいた。
どうやら、集中をしているようだった。
そして、矢を構えて、的を狙った。
撃った。
矢は…。
的の真ん中に、当たった。
俺と拓弥は、驚いていた。
…凄い実力だ。
これが…噂の…。
すると…彼女は、ふぅーと息を吐いた。
彼女は、こっちを見た。
驚いていた。
そして…笑った。
「こんにちは、瀞哉さん。弓道部の見学ですか?」
明るい声で、聞いてきた。
「あっ、いや…。闇璃の事が、気になっていて、変な噂を聞いてきて…。」
数秒、彼女は黙ったが、すぐに言った。
「噂…それは…いじめの噂ですか?」
俺は、頷いた。
こんな事言ったら、彼女はきっと…。
しかし、彼女は笑って言った。
「気に掛けていたのですか…。ありがとうございます。優しいのですね…。」
すると…1年生の弓道部の女子達が、集まってきた。
「わ~。剣道部の天河先輩だよ!!」
俺は、はっきり言って驚いた。
勿論…拓弥もだ。
すると…遠くから…。
「こら~!!元の場所に戻れよ!」
先生だ…。
1年生の人達は、元の場所に戻っていった。
彼女は…。
「それでは、失礼します。また、明日会いましょ。…瀞哉さん。」
と言って、彼女は先生の下へ行った。
拓弥は立った。
「帰ろう、彼女達に迷惑だ。」
「あぁ…。」
俺も立った。
弓道部から出た。
そして、校門に向かって歩いた。
校門までの距離は、そう遠くはない…。
校門に着くまであっという間だった。
校門を出た。
そして…。
「じゃぁな!」
「おう!」
お互いに手を降った。
俺は、真っ直ぐ家に向かった。