第1章 「噂」
「あぁ…。知ってるよ。彼女は1年生で有名な人だ。頭もいい、運動の才能もある。弓道部にも入っているらしい。ただ…。」
と彼は、黙ってしまった。
どうしたんだ?急に黙って…。
俺は、気になって彼に聞いた。
「ただ…。の後は、なんだ?」
「ただ…その彼女は、いじめを受けているらしい。」
俺は、驚いた。
確かに、人は恨みとか持っているけれど…。
いじめるってひどいことじゃないか…。
すると…彼は…。
「今日の放課後1年A組のクラスに行ってみるか?」
俺は、思わず頷いた。
まぁ…俺も部活には、入っているけど…。
俺の部活は、剣道部だ。
今日は、顧問の先生がいないから、部活はないが…。
彼女の事も…気になるし…。
~放課後~
さて…もう放課後だ。
とりあえず…彼女のクラスに行ってみるか。
拓弥も一緒だった。
1年のクラスは…4階だ。
俺は、歩いてA組の前に着いた。
教室の中をよく見た。
この時間帯は、掃除する時間だ。
勿論…当番も決まっているはずだ。
彼女は、帰りの支度の準備を、始めたところ…。
女の子4人が、彼女の元へ近付いた。
「ねぇ~。梁沢さん。私達の代わりに掃除当番やってくれないかしら?」
笑いながら彼女に、掃除当番を頼んでいた。
こんな頼み方じゃ…ダメだって。
そう、俺は思った。
すると、彼女は…。
「悪いですけど…今日は私の当番ではないので…。それに、貴方達は掃除がめんどくさいから…私に頼んでいるんでしょ?違いますか?」
急に女の子達の、態度が変わった。
どうやら、怒ったようだ。
「なっ!?何よ!その言い方は!あんたは、いじめられているのわかっているの!?」
彼女は、頷いた。
「わかっていますが…。それで何か?」
さらに…女の子達は、怒り狂った。
「あんたのその態度、気にくわないね…。頭いいからって調子のるんじゃないわよ!!」
「…調子のっているわけじゃありません。だいち…掃除当番は皆で決めたじゃありませんか…。今日は、私の当番じゃないので、失礼します。」
と彼女は、言って荷物を持った。
そうして…彼女が教室から出ようとした時…後から…。
男子から奪ったほうきを、彼女に向かって…殴りかかった。
俺は、驚いた。