第2章 「後悔」
見ちゃったって、さっき森から出るところか?
いやいや、どうしたら、そんな認識になるんだ?
「違う。まだ、告白もしてないのに、なんで恋人になるんだ?」
拓弥の目が、丸くなった。
まるで、まだ告白してないのか?という顔をした。
さらに、呆れた顔をしていた。
俺も、呆れた。
誤解されてしまった。
それに、またもや拓弥に……。
俺は、違う話を拓弥に聞いた。
「そういえば、拓弥。あの本の物語の続きってわかったか?」
拓弥は、首を左右に振った。
どうやら、分からないらしい。
「古い本を見つける事は、できたんだが…あの後の話は…。全部破られている。」
破られている?
それは、何故だ?と拓弥に聞いてしまった。
これもまた、彼は、首を左右に振った。
それにしても、何故破る必要がある?
何か、知ってはいけない事でも、書いてあるのか?
だとしたら……少なくとも死神が持っているのか?
直接、死神に聞いた方がいいのか。
と思わず色々考えていた。
「お~い、瀞哉?」
拓弥の声で、俺は、我に返った。
「どうしたんだ?真剣な顔をしていて?」
俺は、首を左右に振った。
拓弥には、心配を掛けたくはないしな。
「あんまり、考えるなよ?まだ、分からないからな。」
その言葉に、俺は頷いた。
そこでも、拓弥と別れた。
再び家に、向かった。
~家~
扉を開けた。
家には、勿論誰もいない。
俺は、自分の部屋に入って、ベッドに寝転んだ。
物語の続きは、破られているのか……。
破る理由は……何かを、人に知られなくないのだろう。
死神が持っているのなら、知っているはずだ。
気配もないし……。
今日は、いないのか?
だとしたら、夜か……?
そうだ……。
闇璃から貰った桃を、食べないと傷むな……。
後で冷蔵庫に入れておこう。
今日は、特に何もなかった。
それは、とても嬉しい事だ。
~???~
何処かの部屋で、2人が話していた。
『お前は、本当にその道を辿って良かったのか?』
紫の文字が、宙に漂っていた。
1人は、もう1人に尋ねていた。
『これは、我が選んだ道だ。この意志に、揺るぎはない。』
質問をした者は、溜め息をしていた。