第1章 「噂」
俺は、天河瀞哉(あまがわせいや)だ。
高校2年生。
俺が、住んでいる町は…沢山の森に囲まれている小さな町だ。
人口もそんなにいない。
そして…森の奥は…。
魔女ではなく、死神が住んでいたという伝説が残っている。
俺の町は、天使がいたという伝説も残っている。
天使と死神は、敵同士になっているらしい…。
まっ…これはあくまで、伝説だからな…。
だが…俺の先祖代々は、天使だ!って母さんに聞かされたっけ…。
俺の血にも…天使の血が流れていることになる。
それは、さておき…これから学校だ。
急いで行かないと…。
ドンッ!
何かにぶつかった。
「…って…。すみません、大丈夫ですか?」
俺は、ぶつかった相手に謝った。
ヨロヨロと起き上がった。
そして…。
「す、すみません…。よそ見していたので…。」
フッと顔を上げた…。
瞳の色は、紫色で…長い黒髪だった。
俺は、彼女の服装が目に入った。
同じ制服だ。
俺は、思わず…。
「君…俺と同じ高校か?」
彼女は、頷いた。
「は、はい。私は、1年A組の梁沢闇璃(やなざわあんり)といいます。」
A組か…。
頭のいいクラスだな…。
俺も自己紹介しないと…失礼だな。
「闇璃か、いい名前だな。俺は…。」
俺が、言い掛けていた言葉の後に言った。
「知ってます。天河瀞哉さんですね?2年生A組の…。」
と闇璃は、笑って言った。
俺は、思わず戸惑ったけど、頷く。
すると…闇璃は腕時計を見た。
「あっ!もうこんな時間、もう行かないと…。それでは、先に失礼します。瀞哉さん…。」
と言って彼女は、走って行った。
俺は、呟いた。
「1年A組か…。」
そして…俺も歩き始めた。
5分ぐらいで学校に着いた。
俺は、自分の席に座った。
後ろから…。
「おはよう。」
と俺に声を、掛けてきた。
ショートヘヤの赤色の髪。
瞳の色は、緑。
眼鏡を掛けている…。
「おう!おはよう。碕雫拓弥(さきだたくや)。」
「拓弥でいいよ。」
と言って、彼は隣の席に座った。
俺は、闇璃のことを拓弥に聞いてみた。
「なぁ…。拓弥、1年A組の梁沢闇璃っていう女の子知ってるか?」
すると…彼は、驚きながらも頷いた。