第2章 「後悔」
拓弥は、咄嗟に叫んだ。
「瀞哉!逃げろ!こいつは、死神だ!」
散らかった教室……。
やはり、死神がやったのか?
「やめろっ!!」
俺は、叫んだ。
その時、死神の動きが止まった。
死神は、舌打ちをした。
「…ちっ。お前が、来る前に殺そうとしたのに…。お前を見ると、虫唾が走る。…失敗か。碕雫拓弥、命拾いしたな。」
と死神が言って、ガラス窓を割り飛び出した。
その音で、教師や生徒が集まり始めた。
死神の声で…性別がわかると思ったが……俺の考えは甘かった。
結局は……分からないままだった。
俺は、拓弥に近づいた。
「大丈夫か?」
拓弥は、頷いていた。
死神は……なんで……拓弥を狙ったんだ?
先生が俺達に、近づいて来た。
「2人共、大丈夫か?」
俺と拓弥は、頷いた。
その後、俺達はあの状況を話した。
先生達は、深刻な顔をしていた。
まさか、朝から死神が出るとは、思っていなかったらしい。
緊急会議が、入った事によって、1時間目は、自習になった。
~教室~
俺達は、大人しく教室で待っていた。
幸い、拓弥は怪我をしていなかった。
「流石に、目の前に死神が現れた時には、どうなるかと思ったよ。瀞哉、助かったよ。」
俺は、首を左右に振った。
「何もしてない。拓弥が無事で良かったよ。」
その後、2時間目からは、普通の授業になった。
~放課後~
俺は、部室に向かった。
今日は、部活があった。
目の前には、先輩がいた。
俺は、挨拶をした。
「こんにちは!隗羅先輩!」
隗羅先輩は、俺を見て手を挙げた。
挨拶だった。
今日は、練習試合だ。
相手は……。
俺の動きが止まった。
その理由は……またしても、先輩だった。
絶対に、誰か企んでいる。
毎回毎回、先輩と練習試合をしている。
ずっと、先輩だけだった。
先生か……?
そんな事、気にしていても仕方ない。
とりあえず、竹刀を取って試合を始めた。
暫くして……試合が終わった。
まさか、今日……先輩に勝てるんなんて、思ってもいなかった。
先輩は、笑った。
「いや~。大分強くなったな、瀞哉。次は、負けないからな!」
「はい。次も負けませんから!」
という会話をして、部室を出た。